一人は夢を掴み、安息の地を手に入れた。
もう一人は未だ、夢の途中。
夢の果て
蒼から藍へ、更には紺碧へ。昇る陽を見つめ沈む日を受け、時に黄金に時に朱に。飽く事無く移り変わる色彩に、心奪われ涙した日の事を、今も鮮明に覚えている。
否。覚えているのではない。既に見慣れてしまった景色であっても、未だこの海は彼の心を捉えて離さない。繰り返し過ぎて行く日々の中、途切れる事無く訪れる驚きと喜び、興奮と感動。
奇跡に溢れる海、オールブルー。彼がこの海に辿り着いて早十数年が経つ。
漸く見つけた夢の場所にこのまま留まるか、それとも夢半ばの仲間達と航海を続けるか。悩む彼に向かって、仲間達は迷う事無く彼を置いて行く事を選んだ。あっさりと別れ告げる彼等に、正直な所捨てられたと感じたりもしたが、最初に背を向けた人物が口にした言葉が彼の心を決めさせた。
『見つけただけで夢を叶えたなんて、言わせねぇからな』
ならば此処で、世界一のレストランを築いてみせよう。応えた彼に満足そうな笑みが返される。その日から彼の夢は終末を迎え、新たなる高みが用意されたのだった。
それは決して平坦な道ではなかった。料理の研究だけでなく、レストランの建築、レイアウト、香辛料等の購入ルートの確保、店の宣伝、客が来店するための航路の確保エトセトラエトセトラ。
問題は山積みであったが、苦痛に思うはずも無い。夢にまで見た海が目の前に広がっているのだ。夢を叶えるのではなく、夢を広げている。そう思うと、心は躍るばかりだった。
ただ、矢張り物寂しさが胸を掠めることもあった。
共に笑い、共に戦い、時にはぶつかり合いもした仲間達が此処にいない。何よりも最も愛した人物が。
それでも、仲間達が航海を続けている間は良かった。折に付け、機会を見つけては訪れてくれていた頃は。
年齢を重ねても変わらない仲間達を迎えて土産話を聞き、新しい料理を振る舞い、一時の宴に興じる。それは夢の場所で過ごす夢のような時間。
だが時が経つにつれ、一人、また一人と夢を叶え、彼と同じ様にそれぞれの新しい道を歩み始めた。いまや海賊の頂点に立った男の傍にいるのは、ほんの数名だけだろう。同時に、彼の店に訪れることは困難となり、便りでしか消息を知ることが出来ない。
時折、医者である妻を連れて顔を見せに来るお人好しの青年は、昔と変わらぬ笑顔を見せてはくれるが、瞳の奥には彼と同じ感情が揺れ動いているのが分かった。
仲間が夢を叶えて、新しい道を歩むのは嬉しい。嬉しいけれども寂しい。胸の奥の甘い疼きを持て余し、持て余す己に自嘲し。仕方が無いなとお互いに苦笑し合った日も、今では懐かしい思い出だ。
先日、その青年も第一子を授かり奮闘の日々だと言う便りを受け取った。
『そう言えば、あいつはどうしてるんだ?』
文末に添えられた言葉に、彼は僅かに口元を緩めただけで、返信には何も記さなかった。話題に上げられた人物は、律儀ではあるものの筆不精なところもあり、第一に一ヶ所にじっとしているはずも無い男であったから、正確な状況を知るべくも無い。
彼等の船長と共に航海を続けてくれていれば話は簡単だったのに、と彼は時々恨めしく思ったりもしたのだった。
船長が海賊の頂点に立ったその日、男はあっさりと袂を分かつことを宣言したのだという。
理由も同じくあっさりとしたものだった。
『海賊王の傍で違う頂点を目指すのは、色々と遣り難い』
よく分からない理論はあの男らしいといえばらしいが、それをこれまたあっさりと受け入れた船長も全く変わっていないらしい。
まぁ頑張れよと呆れ半分に見送った彼に、気が向いたら顔を見せに来ると応えた男は、言葉通り年に一、二回、酷い時は数年に一回と言う低頻度でふらりと彼の店に訪れ、またふらりと旅立って行った。
今頃どこの海を彷徨っているのだろう。行ってくる、と手を振った後姿だけが脳裏に浮かび、あの男の笑顔を忘れてしまいそうだと、彼は淡い笑みを浮かべた。
今日は何故か昔の事ばかりが思い出される。こんな日にはあいつがやって来るかもしれない、なんて。実の所、この勘は滅多に的中したことが無いのだけれども。
仄かな甘さを含んだ予感が現実となったのは、地を照らす光が活力から安らぎを与えるものへと移り変わり、空と海が境界を越え交じり合う刻限となった頃だった。
「オーナーは結婚とか考えたこと無いんですか?」
「あ?」
店仕舞いの後、厨房の隅で実はもっとも苦手としている帳簿と唸りながら睨み合っていると、不意に皿洗いをしていた見習が問い掛けてきて、彼は眉を顰めた。
「あー俺もそれ気になってた」
もう一人の見習が興味津々で話に乗ってくる。
「何だよ、それ?」
「だってオーナー、モテるじゃないですか」
「そうそう。しかもオーナー女の人は好きなのに、彼女とか居ないみたいだし」
不思議だったんだよなーと笑いあう彼等を横目にひっそりと息を吐く。未だ少年の域を出ない彼等にとって、色恋沙汰は格好の話題なのだろう。
しかし普通、仮にも上司に『女好き』などとはっきり言うだろうか。確かに間違ってはいなのだが。
「・・・・結婚ねぇ。好きな奴は居るけどな」
「え!?誰、誰々?どんな人なんですか!」
「その人と結婚しないんですか!?」
きらきらと瞳を輝かせて彼の返答を待つ見習達は、適当な返事では引き下がらないだろう。それは容易に想像できたが、簡単に答えられるものでもなかった。
結婚云々は別としても、彼の想い人は迷子の達人で、それ以上に気紛れで、しかもかなりの男前です。などと言える訳が無い。
「ったく。ほれ!無駄話は良いから、終わったならとっとと帰りやがれ!明日もクソ忙しいんだからな!」
結局彼は上司の権限をフルに活用することにしたのだった。
ぶーぶーと不貞腐れる彼等を追い払って、深い溜息と共に肩を落とす。
「全く。マセガキ共が・・・・」
「テメェだって同じ年の頃は似たようなモンだったろ」
今度こそ難解な帳簿と真剣に向き合おうと腕捲りをした彼は、不意に響いてきた笑みを含んだ声に、ぴくりと肩を揺らした。
予感はしていた。だが、予感はただの予感であって、実際に起こるとなると矢張り驚く。そのままの姿勢で固まった彼の名を、先程と同じ声が密やかに呼んでくる。それはじわりじわりと心に染み渡り、彼は相好を崩した。
「久しぶり、だな」
「そうか?そうでもないと思うが」
「は。相変わらずクソ薄情な奴だよ、お前は」
「テメェが甘ったれ過ぎんだろ」
相変わらず遠慮の無い物言いに、彼はとうとう笑声を上げて声の主へと跳び付いた。重い、暑苦しいと悪態を付きながらもしっかりと受け止めてくれる。それは間違いなく彼の最愛の人物だった。
「それで?今度は何処まで行って来たんだ?」
髪、頬、手と一通り男の感触を確かめながら、最後に軽く唇を啄ばんで問い掛けると、黙って受け入れていた男は複雑そうな表情で肩を竦めた。
「グランドラインに居たさ。・・・・アイツに会った」
端的な返答に、彼はへぇと呟く。『アイツ』が誰かは男の表情で直ぐに悟ることが出来た。剣士の頂点に立つ人物。目の前の男が追い求めている相手だ。
以前はその相手が話しに出る度に嫉妬を覚えないでもなかった。求める意味が違うと言われても、そこはそれ、厄介な恋心と言う奴だ。それなりの年を重ねた今となっては、自分も若かったのだと笑うことも出来るが、逆に言えばそれなりの年しか重ねていない今、心中は全くの平穏と言うわけでもない。
小波打つ心を押し隠して、再び唇を啄ばむ。今度はくすぐったそうに目を細めた男に、彼もくすりと笑った。
「の、割には何のニュースも聞かねぇけどな?」
「・・・・・・・・相手にして貰えなかったんだよ」
頂点の交代となれば、如何に離れた場所と言えども彼の耳にも届くだろう。そう思っての疑問だったが、途端に不機嫌になった男の口から出たのは予想外の言葉だった。
「は?相手してもらえなかったのか?」
「俺にはまだ早ぇんだとよ」
ぶすりと口を尖らせる男は恐らく、相手に軽くいなされたと思っているのだろう。またそれを屈辱と感じているようだが、彼には相手の気持ちが分かる気がした。
(お前を、惜しんだんだろうよ)
初めて彼等が相対した日から数え切れないほどの年月が過ぎ、未熟であった男の身体は滑らかに均整の取れたものへと完成を遂げている。けれど男の気性は昔のままで、それに沿う様に剣の筋も変わっていないのだ。
真っ直ぐに強く、引くことを知らない剣。男の類稀な身体能力と、経験と共に研ぎ澄まされていく太刀筋は確かに無敵の域に近づいているだろう。だが、力のみでは越えられない壁があるのだ。力強く広げられた大木の枝が強風で折れてしまう様に。逆に細く頼りない柳の枝が風に逆らわずに身を任せ、結果傷付く事無く立っている様に、柔の部分を受け入れていく必要がある。
剛のみの男の剣。柔剛併せ持つ相手の剣。剣には疎い彼から見ても結果は瞭然だった。
「まだまだ弱いって事か?」
茶化す様な彼の言葉で、一層不機嫌になる男に苦笑しつつも、再び胸中がざわめく感覚を味わう。出会っても交わることの無かった剣。そう、相手は惜しんだのだろう。勝敗の見えた勝負で男を失うことを。
男が柔を身に付けるまで待つつもりなのか。それとも、剛のみであっても折れる事の無い強さを手に入れることを望んでいるのだろうか。
彼と同じ様に。
「お前の剣は嫌いじゃない」
ポツリと呟いた彼の声は、男の耳には届かなかったらしい。視線だけで問う男に軽く首を振る。
嫌いじゃない。正しく言えば、彼は男の剣が好きだった。
引くことを知らない、何処までも真っ直ぐで我武者羅な剣。男の心を映した様に鮮烈なその太刀筋は、彼の心を捉えて離さなかった。
柔など身に付けなくても良い。会得してしまえば、男の何かが変わってしまいそうで嫌だ。
彼の人物もそう思ったかもしれない。それが彼の心を落ち着き無く揺さぶる。
それ以上に彼の胸を痛めるのは、目の前の男だった。柔など知らなくても良い。けれど剛のみの剣は、引くことを知らない剣は、男の身をいとも容易く傷付けるのだ。
未だ航海を続けていたあの頃、幾度身を凍らせる思いを味わっただろう。傍に居た時ですらそうだったのだから、離れている今は尚の事だ。
「酷い奴だよ、お前は」
燻る思いを乗せて吐いた言葉は、ゆらりと揺れながら男の耳を掠めて消える。僅かに目を見開いた後、決まり悪そうに視線を彷徨わせた男は、悪かった、と小さく呟いた。
恐らく彼の吐いた言葉の意味を取り違えているだろう、男の謝罪。
「本当は、もう少し早く此処に来ようと思ったんだが・・・」
ああ、やっぱり。
泣きたいのか笑いたいのか分からないまま、彼は眉を下げた。
男は滅多に会いに来ない事に対して怒っていると思っている。自分の身を案じているとは欠片も思わないのだ。
だがそれを伝えた所で何も変わりはしない。結果、彼は内心の葛藤を無視して、男の言葉に乗ることを選んだ。
「全くだ。便りの一つも寄越さねぇし、忘れた頃にひょっこり現れるし、な」
表情を隠すために男に背を向けて、棚を漁る。目的の物を見つけ出すまでにさほど時間は掛からなかった。
「邪魔だった、か?」
「まさか」
男には珍しい探る様な声に作り物ではない笑みを浮かべた彼は、ひょいと手にしたものを掲げて男を振り返る。彼の右手には二つのグラス、左手には以前男が来た時にいたく気に入っていた酒が握られていた。
それを見て破顔する男に、彼は相変わらずの酒好きめと肩を竦めてみせた。
(本当に酷い奴だよ、お前は)
嬉々として杯をすすめる男を横目に一人ごちる。
手を振り去っていく背中しか思い出せないほど過ぎてしまった時間も、もう二度と会えないかもしれないと心が冷えていく様な恐怖も、こんな他愛も無い笑顔の一つで全て吹き飛ばしてしまう。
何度忘れてしまおうと思っただろう。何度待つことを止めて己の夢だけに生きようと思っただろう。けれど結局は無理な話で、それ程までに彼の心は捕らえられてしまっていた。
それが悔しくもあり、嬉しくもあり。
いつしか彼は内心も燻りも忘れて、男との酒宴を楽しんでいた。
「なあ」
「ん?」
瓶の中身も無くなろうかという頃、ぽつりと呼びかけた彼に男が首を傾げる。真っ直ぐに視線を受けた彼は、同じ様に真っ直ぐに視線を返して淡く微笑んだ。
「本当はさ、もっと会いに来いとか言いたいことが沢山あったんだぜ?」
「・・・・・・ああ」
「お前は無茶ばかりしやがるから、何処かで野垂れ死んでるんじゃねぇかって心配になることもある。もう会えねぇんじゃねぇかって」
「・・・・・・」
悪い、と言いかけた男の言葉に首を振って止める。
「違う。何時でも良いんだ。会いに来るなんて、お前が来たいと思った時だけで」
どれだけ寂しいと感じていても、押しつぶされそうな不安を抱えていても、こうして会うことが出来れば全て吹き飛んでしまうから。
それだけ愛しいと感じているから。
「だから、無理に会いに来いとは言わねぇ。それに・・・・死ぬなとも、言わねぇ」
静かな彼の声を黙って聞いていた男は、最後の言葉にぴくりと指先を震わせた。視線を険しくして見詰めてきたが、彼は緩やかな笑顔で応えただけだった。
男にとって彼は、何時だって心配性で小言だらけな人間だっただろう。俺の知らない所で怪我をするな。死に急ぐような真似はするな。年を重ねてそんな小言は随分と減ったけれども、似たような事は繰り返し言ってきた記憶がある。
そのせいか、不審そうに眉を寄せる男に、彼は緩やかな笑みのまま軽く瞳を伏せた。
「その代わり、約束してくれ」
何も言わない代わりに、一つだけ、約束を。
「お前が死んだ時は、どんな方法でもいい。俺に伝わるようにしてくれ」
自分の言葉はそんなにも意外だっただろうか。今度こそ絶句した男の様子にくつりと肩を震わせる。身を乗り出して固まってしまった男に幾度目かの口付けを落とすと、漸く我に返ったようだった。
「随分と殊勝な約束だな」
「そうか?結構難しいと思うぜ?特にお前みたいな奴にはな」
唸る男に澄まして言い返すと、男は彼の本気を読み取ったらしい。本来の男らしいにやりと言う擬音が良く似合う笑みを浮かべて頷いた。
「分かった。約束だ」
夢を叶えるほうが先だろうとは言わなかった。男の夢がどれだけ困難でどれだけ危険な道であるか、二人とも良く分かっている。
「で?もしその知らせが届いたら、テメェは後追いでもすんのか?」
「馬鹿言え。そんときゃ俺は一人で面白おかしく生きてやる。このレストランも世界一にしてな」
そんで天寿を全うしてから、お前に自慢話を嫌って程聞かせてやるよ。
ふふんと鼻を鳴らし宣言した彼を、男が片眉を持ち上げて見遣ってきた。彼の言葉の意味に気付いただろうか。気付かなくても構わない。これは彼自身が分かっていれば良いことだから。
「一人で、ね」
「そう。一人で、だ」
けれど妙なところで聡いこの男は、矢張り気付いたらしい。一部分を繰り返してくつくつと肩を揺らし、彼も並んで笑みを漏らした。
お前しか要らない。
お前しか欲しくないから。
お前が居ないなら、一人で構わない。
「まぁそうだな。そん時ゃ土産話、楽しみにしてるぜ」
「そうそう。先に死んでる場合じゃ無かったって後悔させてやんよ」
瓶の底に残った酒を一気に呷った男を軽く小突いて、グラスを流しへと運ぶ。蛇口から勢い良く流れ出した冷たい水が、アルコールのせいで少し火照った指に気持ち良い。水遊びでもしている様な気楽さでくるくるとグラスを洗っていた彼は、突然背中に掛かった重みに短く声を上げた。
ぐるりと肩越しに振り向くと、其処にはいつの間にか近付いて来ていた男が彼の背に額を押し付けるようにして立っていた。名を呼んでも動かない男に、しばし逡巡して顎を持ち上げる。付随して後ろに下げられる形となった彼の後頭部が男のそれと軽くぶつかると、漸く男が身じろいだ。
「約束はした。・・・けど俺は今生きていて、今テメェの傍に居る」
彼の腰に回した腕にぎゅう、と力を込めて呟いた男の声は、体勢のせいか少しくぐもって聞こえる。
「・・・・・ああ、そうだな」
背から伝わる体温と耳に響く低い声に、彼はそっと息を吐いた。
火照っていた指先は、流水であっという間に冷えてしまっていたらしい。回された腕に自分の手を重ねると、じわりと熱が染み込んで彼の全身を駆け巡った。
この熱も、声も、腕も。
全てが愛しくて堪らない。
「お前しか、要らない」
「ああ」
「お前しか、欲しくない」
「知ってる」
本当は、全てを捨てて共に生きたいと思うけれど。
本当は、この腕の中に閉じ込めて何処へも行かないようにしたいけれど。
それでは自分は自分でなくなる。
それでは自分が愛した人ではなくなる。
「愛してる」
どちらからともなく零れたのは伝えることしか出来ない言葉。
捧げる事の出来ない心は、けれど何時でも相手を想っている。
分かっているから、愛しい。
分かっているけど、寂しい。
ただ今は、傍にある温もりを感じていたい。
重なり合う二人の心を映したように、水音だけがいつまでも響いていた。
水がもったいないですね(それが第一声か)
えーオールブルー発見後の捏造だらけSSでした。特に意味とかオチとかはありません、と開き直ってみる。
序でに名前も一切出てきませんでしたよ。これは単にやってみたかっただけです。まぁどれが誰だかはバレバレですね(笑)
私としては甘いつもりで書いていたのですが、もしかしてこれって切系になるのでしょうか。
でも若い時には兎に角べたべたしたがっていた彼も、いい大人となった頃は自分の立場も相手の立場も受け入れて立ち回れるようになっていると思います。
と言うか、そのはずだ!
では、最後まで読んで下さって有難うございました!
(’10.1.16)
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